BL「例えば雨が降ったなら」「例えば雪が融け合うように」感想 [カサイウカ]
2021-09-12更新
カサイウカさん作のBLコミック「例えば雨が降ったなら」と
続編の「例えば雪が融け合うように」の感想です。
例えば雨が降ったなら 2018.7月発売
例えば雪が融け合うように 2021.8.27発売
(出版社:オークラ出版 enigma comics)
いいタイトルですよねぇ…(〃 ̄︶ ̄)人ウットリ
(素敵なタイトル好き=参照記事はコチラ)
表紙絵がまた良い!!
2冊並べると、その構図の対比が
すんばらしぃ~のがよくわかります♡
しかし中身も、
タイトルと表紙絵の素敵さに負けません!
酸いも甘いもかみ分けた
オトナな皆さまにおすすめの良作。
「例えば雪が~」で完結しています。
そこそこの大学を出て、大企業に就職し
きれいな嫁さんをもらって・・・と
順風満帆な人生を送っていた久我。
ところが、同僚に騙されて事業に失敗し
家も財産も妻も失い、絶望して
自殺をしようとビルの屋上に立つも
飛び降りる勇気が出ず。
そんな時思い出した、高校の時の初恋の相手。
人生でただ一人好きになった男、充(みつる)。
矢も楯もたまらず、探偵業の友人を頼り
現在の居場所を探してもらって会いに行くと
そこには昔の美少年ぶりもすっかり曇り
地方の場末のストリップ劇場で働く
うらぶれた充が・・・
というところから始まるお話。
人生どん底無職バツイチの久我(45)
✕
元美少年 充(45)
おじさん同士のしっとりとした純愛物語です。
一度は死のうとまでした久我の、
いい意味で吹っ切れて明るい様子に、
人生を諦観したかのような充が
徐々に救われていく様子が
とても心にしみます。
充の人生は”酸いも甘いも”どころか
酸っぱくて苦いばかりで
今は”姪の光(ひかり)を独り立ちさせるまでは”と
それだけのために生きているような状態。
美少年ゆえにモテモテで、
やりたいホーダイのびっちだった充にとって
久我は唯一本当に恋した相手(プラトニック)。
いまだに忘れられず
久しぶりの再会に動揺が隠せない所とか
素直に感情表現できないおじさんたちが
赤面してワタワタする様子が愛おしい。
「例えば雨が降ったなら」は
二人の再会~お互いの気持ちを確かめ合い、
久我が東京でやり残した残務整理のために
「なるべく早く帰るから」と言い残して
充のもとをいったん去るところまで。
「例えば雪が融け合うように」は
久我が帰ってくるのを期待しながらも、
諦めの気持ちも持ちつつ待っている充のもとに
半年ぶりに久我が帰ってきたところから。
その後、突然ぶり返した充の過去の
後ろ暗い因縁に決着をつけ
ようやく久我と充、二人が幸せになるまでが
語られています。
全体的に明るいお話ではないのですが
ストリップ劇場の女性たちがとても明るくて
くすっと笑えるところもあり
ラストも、とてもスッキリと
みんなが幸せになっているので
こちらもとっても幸せな気持ちをもらいました。
人生どん底になっても、
あきらめなければ何とかなるかもしれない。
そんな気持ちにさせてくれます。
まあ、そんなジェットコースターみたいな
人生を送っているわけではない
ワタクシですが(笑)
しっとりと心に沁みる、
そう、まさにタイトルのような!
素敵な作品でした
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