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BL小説「もうひとつのドア」感想 [月村奎 (ツキムラ ケイ)]

2023-09-03更新
月村奎さん作のBL小説
「もうひとつのドア」の感想です。
mouhitotunoDoor.jpg
2001.12月発売(電子配信2017.11月)
(新書館 ディアプラス文庫)
(購入:コミックシーモア)

9/4まで半額セールになっているこちら、
試読から購入し、そのまま続けて読んで…
という流れで、珍しく
買ってすぐにサクッと読了いたしました。

せっかくなので、忘れないうちに感想を。

月村奎さんの十八番
親の愛を受けられずに育った受けが
幸せになるお話です。

有名建築家 三夜沢(みよさわ)30代半ば?
 ✕
理不尽な借金の返済に追われる
          広海(ひろみ)17歳

ひとり親の母親から愛されずに育ち
その母が自殺で亡くなった今は
母を金づるにしていた義父のような存在の男に
金をせびられ続け
中卒でひたすらバイトで小金を稼ぐ広海。

自分の将来のことなど思い描く余裕もなく
たた無為に過ごしていたある日、
バイト先のパン屋によく買い物に来る女児が
その父親(三夜沢)から
ずいぶん乱暴に扱われている様子を目にして
自分が虐待を受けていた頃を思い出し
黙っていられなくなって…

というところから始まるお話です。
広海の子どもの頃の描写が
あまりに悲しく切なくて辛いんですけど
月村作品を読むときのいつもの私的心得
「この不憫な子が最後には幸せになるんだ」
と言い聞かせつつ頑張って読みました(笑

母親からの愛すら受けられなかった広海は
なるべく傷つかないための処世術として
だれも信用しない、他人に期待しない
という若干17歳にして
なんとも悲しい思考の持ち主なので
人からの善意を素直に受けられず
だいぶジメジメうだうだしとります(笑

攻めがまた無愛想・武骨・言葉が足りない
典型的な思考の分かりづらい男なので
まあ~そう簡単にはくっつかない。

すれ違ってのせつなキュンを
たっぷり味わわせていただきました♡

三夜沢の一人娘 美生(みう)ちゃんが
かわいくて救いです。

広海が初めての恋心を自覚するシーンが
切なく悲しくてよかったですねぇ。

一方の三夜沢は、攻め視点がなかったため
いつ広海のことを好きになったのかは
よくわかりませんでしたが
思いが通じ合ってからの~~
野獣感がよろしかったでございます。
とはいえ、そこの描写はごく控えめで
あっさり風味でしたが…(いい、いいんだ別に

ようやく思いが通じ、
生きることに前向きになった広海ですが
しかし、ここのCP、
今はいいけど、この先苦労しそうだなぁ…
なんてちょっと思ってしまいましたね。

三夜沢の実の姉が・・・・・・・・・・・
なんというか悪い人じゃないんだけど
無意識のうちに堂々と
差別と思わず差別発言(思考)をする人なので
美生ちゃんがもう少し大きくなった数年後とか
ひと悶着、どころか色々ありそうだなぁ。

まあとりあえず、
広海には素敵な居場所もできて
めでたしなラストだったので
あとの事は想像しないようにしよう・・・(笑

この作品のお気に入りポイントはタイトル。
読む前はなんとも印象に残らない
平凡なタイトルだわ、と思ったんですけど
読んでる途中で、そういうことかーって。
余裕がないとそういう状態に陥りがちだよね。
希望の光射すもうひとつのドア・・・[ぴかぴか(新しい)]

不憫受けがお好きな方なら
ぜひ読んでみていただきたいです。

あ、さし絵がとても好みでした!
広海さん、自分の見た目をもっと生かせる
職業もいいと思うんだけどなー。
とりあえず読モとかからどうでしょう?
なんて~(^m^


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もうひとつのドア【電子書籍】[ 月村奎 ]



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BL「恋なんかしたくない」シリーズ感想 [月村奎 (ツキムラ ケイ)]

2023-01-26更新
月村奎さん原作 樹要さん作画のBLコミック
「恋なんかしたくない
   ~今日から兄弟になりました~」
「恋なんかしたくない
   ~今日から恋人になりました~」
の感想です。
koinanka1.jpg koinanka2.jpg
2015年発売
(出版社:大洋図書 CRAFT SERIES)
(購入:コミックシーモア)

3年前に購入し、読んだ時には
「ふ~~ん・・・」て感じの感想で
終わったような気がするのですが(笑

先日ひっさしぶりに読み返したら
あらけっこうキュンキュンして楽しいわ
となりましたので
感想を残しておこうと思います。

親の結婚で義理の兄弟になった二人。

兄の竜成は現役大学生ながら
プロの脚本家として活躍するイケメンくん。

弟の優斗は
女手ひとつで自分のことを育ててくれる母親を
明るく支えてきた中学生。

優しく頼りになる兄と
初めてできた兄に甘える可愛い弟、
そんな理想的で仲の良い関係だった二人。

ところが、ある日、
部屋で男同士の行為にふける兄を
弟が目撃してしまって・・・・

という感じで、うん、まあ
義理兄弟BL王道の展開なんですけどね(笑

物語はほぼ弟の優斗視点で語られるので
兄の竜成の想いは最後の方まで
はっきりとはわからないのですが
まあ表情などからして容易に推測できますし

兄に抱く自分の劣情に危機を感じ
優斗は寮のある高校を選んで
物理的に距離を置いたものの
大学からは兄と二人だけの
同居生活を送らなくてはならなくなり
想いが隠し切れなくなって・・・

と、BL定番の展開が続くので
切なキュンしながらも安心して読めます。

というか、私もBL歴8年目に入りましたが
定番でも、こういう好きシチュなら
まだまだキュンキュンできるんだな、と
そんな自分にちょっと安心もしました(笑

やっぱり兄弟BLって良いですなぁ(´-`).。oO

月村奎作品は
けっこうな確率で毒親が出てきますが
本作は親の人柄も良く
他もいい人しか出てこないのでストレスなし。
明るい言動でごまかし
必死でかわいい弟でいようとする優斗が
健気でかわいくってねぇ♡

”さくっと再読(さくっとキュン補給)”の
定番に入れようと思います。

今回読み返すまですっかり忘れていましたが
本作は「恋になれ!」のスピンオフでした。
スピン元は未読なので
セールなど来たら買おうと思ってます。
てか前もそう思って
とっくの昔に「お気に入り」(購入候補)に
登録してあったのですが
今回再読するまで
そんなことすっかり忘れてたよね…(^▽^;)

最近、シーモアの「お気に入り」が
リニューアルされて
セール表示してくれるようになったので
今度こそ、お得な機会を
見逃さないように入手したいと思います。

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恋なんかしたくない 〜今日から兄弟になりました〜【電子書籍】[ 月村奎 ]
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BL小説「もう恋なんてする気はなかった」感想 [月村奎 (ツキムラ ケイ)]

2022-10-28更新
月村奎さん作のBL小説
「もう恋なんてする気はなかった」の感想です。
moukoinante.jpg
2022.10.11発売の新刊
(出版社:新書館 ディアプラス文庫)
(購入:一般書店)

「ずっとここできみと」(★感想はコチラ★)の
スピンオフですが
こちらは未読でも問題なく読めると思います。

「ずっとここできみと」の主役:征矢と理玖
の高校生の時の同級生で
中学生の時にラノベで小説家デビューした
作家の夏川晴樹(27)が主人公です。

そりの合わない継父から離れ
自活するための道として
「ラノベ作家」を選んだ晴樹。

高校時代の晴樹は
そんな自身の苦境を周囲に微塵も感じさせず
征矢と理玖の前でも
チャラいくらいにひたすら明るくふるまう
陽気なキャラでしたが
それは自身を守るための演出。

大学進学を機に上京し
一人暮らしを始めた晴樹は
作家デビュー当時から面倒を見てくれていた
担当編集 小山田稔と恋人になり
これまでの親からの愛情不足を
取り戻すかのような
相手に依存しまくりの恋愛をしていた中
恋人の裏切りを偶然知り愕然とする・・・

と、そんな痛い過去から
小山田との恋愛を黒歴史として封印し
”もう恋なんてする気はなかった”晴樹ですが

晴樹の人気作がドラマ化されることになり
その主役に抜擢された
若手人気俳優の三島鼓太郎(27)と
ドラマ化の際の対談がきっかけで仲良くなり
そこから晴樹の新しい恋が始まります(´艸`*)

鼓太郎、俳優さんなので
超イケメンなのはもちろんなんですが
見た目を裏切る天然おバカキャラで
ワンコですっごくかわいい。

鼓太郎からグイグイ距離を詰められて
戸惑いつつも、二人でいる心地よさに
どんどん仲良くなっていき、やがて・・・
という展開。

キュンもたっぷりあって
鼓太郎の抜け具合が愛しくて笑いどころも多く
すんごく楽しかった[るんるん]

芸能人ものに萌えはなく
スピン元の方が幼なじみもので
設定的には好きなはずなのですが
お話の面白さとしては
この「もう恋なんてする気はなかった」の方が
断然面白くて好みでした。
(「ずっとここできみと」も
 十分面白くて好きですけども!)

鼓太郎がキラキライケメンなのに
芸能人らしからぬ
飾らなさが良かったのかも。
しかも、ちゃんと待てるワンコ!!

晴樹は、これまた私好みの
自己評価低い子でしたし(笑

グジグジする自信のない受けと
明るいハイスペック攻め

安定の月村作品でした。

作中、征矢と理玖もちょこっと出てきます。
生まれた時からずーーーっと一緒にいるのに
いまだにとても仲が良くて
つまらない(犬も食わない)理由で
ケンカしているところもカワ(・∀・)イイ!!
そんな二人の様子が
恋に臆病になっている晴樹の背中を
そっと押すことになったとこが
とてもお気に入りのシーンです。[揺れるハート]

あ、そういえば、元恋人が
実はいい人だったのもとても良かったです。
晴樹、あの頃もちゃんと愛されてたんだよね…(ホロリ

晴樹の親はトンデモだったけど
もういい大人になったのだし
素敵な恋人も見つかったので
これからは幸せに
充実した人生を共に過ごしていってほしいな。

特典ペーパーは
「もう見栄なんて張る気はなかった」
晴樹の小さな見栄が原因で
ケンカになった二人の
仲直りするまでの可愛いお話。
チョコレートを食べながらのキス、甘そうね。
あ~美味しいチョコ食べたい…ってなりました(笑
ゴチソウサマでした(*´ω`*)


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もう恋なんてする気はなかった (ディアプラス文庫) [ 月村 奎 ]


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BL小説「ずっとここできみと」感想 [月村奎 (ツキムラ ケイ)]

2022-10-24更新
月村奎さん作のBL小説
「ずっとここできみと」の感想です。
zuttokokode.jpg
初版発行2017.11月(電子2018.1月)
(出版社:新書館 ディアプラス文庫)
(購入:ひかりTVブック)

2022.10.11発売の月村奎先生の新刊
「もう恋なんてする気はなかった」の
スピン元作品です。

新刊を読む前に!と
ひさしぶりにこちらを再読しました。
読んだ当時、感想書こうと思って
そのまま書かなかったパターン・・・(^▽^;)

生まれた時からずっと一緒な高校生ふたりの
幼なじみ両片想いもの。

かなり早い時期から
受けへの思いに自覚がある
 世話焼き(執着)ハイスペック攻め
 x
攻めへ抱く恋心の自覚が遅い
 自己評価低めの鈍感受け

もう私的テッパンですよ!
大好きな要素しかない。間違いない!

高校卒業後は東京の大学に進学するであろう
成績優秀な征矢(まさや)(攻)に対して

成績はそこそこで経済的に余裕もないため
理玖(りく)(受)は
地元の大学に進学を考えている。

生まれた時から今まで
まるで兄弟のように育ち
いつも隣にいるのが当たり前だった征矢と
もうすぐ離れることを考えると
胸が苦しくて
徐々に征矢と距離を取ろうとしている理玖。

そんな理玖の思いを知ってか知らずか
相変わらず世話をやたらと焼いてくる征矢と
思いがすれ違い、ギクシャクしつつ
そんな中、自身の征矢への恋心を自覚して
理玖は絶望感を抱く・・・

という感じでお話は
悲壮な思いの理玖視点で進んでいくのですが
征矢がどう考えても♡理玖好き好き光線♡を
出しまくっているので
比較的安心して読み進められます(´艸`*)

前半で思いが通じて恋人になり
後半は大学生になってからのお話。

恋人になって、ますます
理玖に執着する征矢が素晴らしい~。
敏感で恥ずかしがりな受けと
それに興奮するヘンタイ執着絶倫攻め(笑

後半のメインは親へのカムアウトかな。

ふたりがずっと一緒にいるためにも
越えなければならない壁だけど
辛い展開にはならずによかったなぁ。

これからもずっとずっと
ふたりで仲良く過ごしていくだろう
幸せなラストでした♡

イラスト担当は竹美家ららさん。
絵がとってもかわいらしくて
それだけに、おふとんシーンのさし絵は
なんだか普段よりもさらに
イケナイものを見ているような
気になってしまいましたよ・・・(笑

今月発売の新刊
「もう恋なんてする気はなかった」は
高校時代の征矢と理玖の同級生
晴樹が主人公。

征矢と理玖のいい友だちで
ちょっとチャラくてひたすらに明るく
悩みなんてなさそうなキャラでしたが
実は・・・というお話です。
「ずっとここで~」執筆の時点から
晴樹は上記のような設定があったようで
本作内でもちょっと思わせぶりな行動があったりします。

新刊も既読ですので
そのうち感想記事を上げたいと思います。
〜〜上げました!↓コチラからどうぞ〜〜
もう恋なんてする気はなかった
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

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ずっとここできみと【電子書籍】[ 月村奎 ]


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BL小説「すき」感想 [月村奎 (ツキムラ ケイ)]

2022-03-10更新
月村奎さん作のBL小説「すき」の感想です。
suki.jpg
2011.12.25発売(電子 2016.6.1配信)
(出版社:新書館 ディアプラス文庫)

10年も前の月村作品ですが、
ウジウジとして自分に自信のない受けと
落ち着いた大人の攻め、そして
めっちゃんこかわいい♡ショタが出てくる
わたくし的にハズレなし!の作品でした。
ホクホク(*´ω`*)ホクホク
今読んでも全然古い感じはなかったです。

瑛斗の担当編集者 井上(5歳の娘あり)(35)
 ✕
駆け出しの小説家 瑛斗(えいと)(25)(ゲイ)

内気で人付き合いが苦手な瑛斗が恋したのは
デビュー時から面倒を見てもらっている
10歳も年上の敏腕編集者の井上。
勘違いからうっかり告白したら
すっぱりと振られてしまい、
以来、気まずさを感じつつも
井上との繋がりを失いたくない一心で
仕事に励んでいる中、
あることがきっかけで
井上が一人で娘を育てていることを知る…


はっきり振られているのに、
好きな気持ちは薄れないどころか募る一方。
普段はウジウジとして
なかなか煮え切らない感じの瑛斗ですが、
追いつめられると、
意外に大胆な要求をするところも面白く
何とか井上との関係を続けたいと
必死に頑張る様子が愛しかったです。

そして、なんといっても
井上の一人娘 萌々香ちゃんのかわゆさが
天使のごときで最高でございました。
幼児らしい言葉のいい間違いだったり
明るく奔放なふるまいだったりが
もうほんとに微笑ましくて♡

なにかと暗く落ち込みがちな瑛斗も
萌々香ちゃんのおかげで、
ずいぶん救われていたように思います。

瑛斗と井上が両想いになる過程については
ネタバレしたくないので触れませんが
これからは甘々溺愛コース確定でしょ!
落ち着いた大人、って感じだった井上さんの
余裕のない攻め具合が
たいへん素晴らしかったです(*´ω`*)
めっちゃキュンしちゃった♡

CP成立後に、萌々香ちゃんとひと悶着あって
まさかここからそんな・・・[がく~(落胆した顔)]
一瞬不安になるのですが、
そうだよね、そう来ると思った!な展開で
とってもかわゆいエピソードでした。
はあ~~よかったよかった。

月村作品の自己評価低い受けがお好きな方、
そしてショタがお好きな方には
間違いないお話だと思います。

麻々原絵里依さんのイラストも素敵です。
特に萌々香ちゃんかわいい~~~~!


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すき【電子書籍】[ 月村奎 ]



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BL小説「不器用なテレパシー」感想 [月村奎 (ツキムラ ケイ)]

2022-01-24更新
月村奎さん作のBL小説
「不器用なテレパシー」の感想です。
bukiyouna.jpg
2012年発売(電子書籍2017年)
(出版社:新書館 ディアプラス文庫)
(購入:コミックシーモア)

華やかな表紙絵ですが
内容はかなり切なくて、
でももちろん幸せな結末のお話でした。

人気俳優 戸賀崎 颯(21)
 ✕
カフェ店員 飯島 諒矢(21)

幼少のころからの幼なじみで
高校卒業を機に二人で上京し
同居するほど親密だったふたり。

駆け出しで芸能界の仕事を始めた颯を
なにくれとなく世話を焼き、
バイトをいくつも掛け持ちして
経済的にも支えていた諒矢。

プラトニックな関係ではあったものの
お互いが特別な存在であり、
まるでテレパシーのように
ふたりの気持ちは通じ合っていて、
颯とは恋人関係だと諒矢は思っていたのに

ある日突然、颯から
「おまえは実家(故郷)に帰れ」
「尽くされるのがウザい」と
強く拒絶する言葉をぶつけられてしまい。

ショックのあまり、
衝動的に自死しようとしたところを
偶然通りかかり、引き留めてくれたのが
カフェの店長の大森。

彼の店で住み込みで働くようになって2年。
いまやすっかり人気俳優になった颯が
諒矢のもとを訪ねてくるも

やっとの思いでふさいだ傷から
また出血することを恐れるあまり、
諒矢は大森と付き合っているとうそぶき
颯に冷たい態度をとる…

といった出だし。

物語はほとんどが諒矢視点で語られています。

恋人だと思い、生きる理由のすべてだった颯に
思いがけず拒絶された諒矢の
あまりに辛い思いに胸が痛くなり。

2年経っても颯が大好きなままの諒矢の様子に
切ない気持ちが湧きまくりました。

颯の拒絶は、おそらく
本意ではなかったのだろうと思われましたし、
2年ぶりに諒矢に会いに来た時の様子からも
何とか、関係の修復を試みているのだと
推測はされるのですが、
心の傷が深すぎた諒矢が
「勘違いしたらいけない」と
必死に距離を置こうとする様子が
かわいそうで切なくて・・・(ノД`)・゜・。

ほとんどがシリアスな雰囲気で、
月村作品の中でも
かなり切ない度合いが高いのではないかと思います。

それだけに、誤解がとけ
二人の想いがちゃんと通じ合ったときの
喜びが大きかったです♡

最後に颯視点の短いお話があるのですが
諒矢に対する深い深い思いを知ることができ
たいへん素晴らしかったです。
天涯孤独の颯が、自ら諒矢の手を放し
どれだけつらい思いをしてきたのか。
彼の想いの深さを知ってからの再読が
たまりませんでした(´;ω;`)

そんな中、諒矢を救ってくれた大森さんと
その家族のなんと温かいこと。
イイ人過ぎて、
そこだけだいぶファンタジーだったかも(笑

挿絵がたいへん素晴らしかったです。
高星麻子さん、恥ずかしながら
私は存じ上げない作家さんでしたが
キラキラの颯が素晴らしくイケメンで
そりゃ芸能界が放っておかないわ!って納得のレベル。
颯の隣だと目立たないけど
諒矢もかなりのカワイイ系イケメンなので
とっても眼福でした^^

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不器用なテレパシー【電子書籍】[ 月村奎 ]


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BL小説「嫌よ嫌よも好きのうち?」感想 [月村奎 (ツキムラ ケイ)]

2022-01-22更新
月村奎さん作のBL小説
「嫌よ嫌よも好きのうち?」の感想です。
iyayoiyayo.jpg
初版発行2012.11月(電子配信2017.10月)
(出版社:新書館 ディアプラス文庫)
(購入:コミックシーモア)

貧しいながらも手仕事が大好きな
クラフト作家の裕貴(ゆうき)
 と
裕貴の幼なじみで弁護士の大介(だいすけ)

小1から20年来の幼なじみで同級生(27歳)の
二人のお話です。

生い立ちも見た目も性格も真逆。

周囲からは親友認定されているけれど、
大介は裕貴に会うたび小言を言ったり、
小馬鹿にしたり、時には叩いたり。

なので、裕貴は大介のことが苦手なのだけど
ある日突然、格安家賃で住んでいた借家の建て替えが決まり、引っ越し費用さえ捻出が難しい裕貴は、やむなく大介の部屋で同居することに…

そこから徐々に
二人の関係が変わっていくのですが。

なにかと裕貴にちょっかいを出す大介の態度は
読者から見れば、”好きな子をいじめちゃう小学生男子”感丸出し(笑

好きならもっと素直に表現すればいいのに、
いい大人がそこまでするかな?ってくらいに
裕貴に暴言をはきまくるので
私的にはあんまり好きな攻めじゃないの…
けれど、裕貴が案外のほほ~んと
受け流すのが上手なとこが良かったです。

っていうか、裕貴もだいぶにぶちんなのよ。
自分の気持ちにも鈍いし、
からかわれ慣れ過ぎて?なのか、
大介のアピールにも全っ然気づかず。
大介は大介で、変な勘違いもあったりして
すれ違いまくる二人の会話が面白い!

なかなか素直になれない二人が
お互いの誤解を解きつつ、
徐々に想いが通じていくシーンは
キュンキュンしまくりでした~♪

途中、裕貴が大介の部屋から出ていく資金を
貯めるためにバイトを始めたことから
心の底から大好きだったクラフトの仕事に
時間をかけられなくなり、
生き生きと輝いていた裕貴が
どんどん生気を失っていくさまが
痛々しくて辛かったけど、
そこから一気に両想いになる時の快感( *´艸`)

カタルシス、というの?
月村先生は、そこがうまいなぁ、と
いつも思うよね…

裕貴のことが大好きなくせに、
大介は最後まで口が悪くて俺様で
たまーにしかデレないツンデレだったけど
まるで反対のノンビリした裕貴と
とってもいい組み合わせでした。

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嫌よ嫌よも好きのうち?【電子書籍】[ 月村奎 ]


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BL小説「ビター・スイート・レシピ」感想 [月村奎 (ツキムラ ケイ)]

2022-01-04更新
月村奎さん作のBL小説
「ビター・スイート・レシピ」の感想です。
bitter-sweet.jpg
初版発行2008年(電子配信2019年)
(出版社:新書館 ディアプラス文庫)
(購入:コミックシーモア)

引きこもりで現実逃避にレース編み…
作品説明にあるこのキャラクター紹介に
わたくしの大好きな「自己評価低い受け」の
においをプンプンと感じて
購入してみた本作。

もう、もう、たいっへん好みでした!

親の期待に応えるために
無理をして優等生キャラを演じていたものの
大学受験に失敗したことと
唯一自分らしさを隠さずにいられた祖母を亡くしたことをきっかけに
引きこもるようになった健太(20)

亡き祖母の残した店舗付きの一軒家と財産を受け継ぎ、経済的には困らないのをいいことに
祖母に教えてもらったレース編みで
ただひたすら時間をつぶすように
一日一日を死んだように生きている
健太の前に突然現れたのが
健太の家のテナントで
焼き菓子専門店を開きたいと申し出て来た
宇佐見祥嗣(30)

長身で爽やかで
まるでモデルのような外見の宇佐見が
実に気持ちのいい明るい攻めなんです。

負のスパイラルにはまって
ひとりではなかなか抜け出せず
殻に閉じこもっている健太を
その太陽のような温かさと明るさで
徐々に表の世界に引っ張り出してくれる様子が
大変気持ち良かったです。

健太も、以前は同級生の間で「王子」と
呼ばれていたくらいに
学校の成績だけでなく
見た目にも恵まれている子なので
宇佐見のおかげで”磨けば光る!”

だんだんと明るい表情になり、
徐々に物事に前向きに取り組んでいく様子が
大変かわいらしかったでございます♡

健太が自立というか、ちゃんと働く、または
なにがしかの学校に通う、とか
具体的な何か、まではいかなかったので
そのあたりまで読めたらよかったなぁ、
とは思いましたが
宇佐見と二人、新しい人生に
最初の一歩を踏み出した健太なら
きっとこの先、
幸せに暮らしていけるんだろうな、と
私も幸せな気持ちになりました。

あ~あ~でもやっぱり
この二人の続きが読みたいです!
いずれ健太宅で同居するように
なるんだろうな~、とか
健太も宇佐見の店で本格的に働くようになって
お菓子も作るようになったりするのかな~とか
この先の二人を想像せずにはいられません。

挿絵の佐倉ハイジさんの絵がまた
可愛らしくて、とっても良かったです。
この絵でコミカライズしてほしいくらい!
まあずいぶん前の作品ですし、
続編もコミカライズもないでしょうけれど
そんな希望も出てくるくらい、
とても好みでした。

自己評価低い受、年の差、体格差、年上攻め
包容力大きい太陽みたいな攻めに
つらい状況の受けが救われるお話、
などがお好みの方、是非お勧めいたします。

・・・そういえば、月村作品て
年下攻めってあんまりないよね。
パッと思いつくのは
「眠り王子にキスを」と
「初恋大パニック」くらいかなぁ。。。

とはいえ、未読の月村作品まだまだあるので
年下攻めもその中に埋もれてたりするかな?
今後も少しずつ読んで、
未読作を減らしていきたいと思います。

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ビター・スイート・レシピ【電子書籍】[ 月村奎 ]


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BL小説「片思いアライアンス」感想 [月村奎 (ツキムラ ケイ)]

2021-12-17更新
月村奎さん作のBL小説
「片思いアライアンス」の感想です。
kataomoi-alliance.jpg
2014年発売
(出版社:大洋図書 SHY NOVELS)

美形な外見と釣り合った中身がないことが
コンプレックスな広瀬悠馬(大学1年生)
 と
悠馬のバイト先のカフェの店長 久保寺護(30)

一回りも年の離れている二人が、
お互い惹かれあっているのに
想いがすれ違いまくる月村奎先生お得意の
じれじれモダモダがたまらんお話でした!

隅々まで整った非の打ちどころのない体型に
とびぬけて高いレベルの美貌、
さらに家柄がいいこともあり、
さながら「王子」と言っても差し支えない
外見をしている悠馬ですが、
自身はその外見に見合う中身がないことを苦にしている、自己評価低めの子です(←私好みの子キタ!w)
女の子に告白されて付き合っても
いつも振られてしまうため、
「付き合うとすぐに終わる」と思い込んでいて
バイト先の店長を好きになるものの
その思いを伝える気はなく、
むしろ片思いを楽しんでいる状態。

ですが、店長の方も出会った当初から
悠馬に好意を持っていたため、
月村作品にしては、かなり早い段階で
店長が悠馬に告白してきます。

お、今回はずいぶん早くCP成立するのね、
と思っていたら
悠馬さん、↑のようなトラウマ的経験から
両想い=別れへのカウントダウンの始まり、
という恐怖で、せっかくの店長からの告白を
かなりヒドイ反応で拒否るんですよーーーっ!

えええええ~~~~~~~~Σ(・ω・ノ)ノ[exclamation&question]

それでも、後日、お酒の勢いを借りて、
悠馬からも店長に好きを伝えるんですけど
これがまた言葉足らずなせいで
店長には全然伝わらず!

そこから、これでもか~これでもか~と
まあ見事にどんどんこじれるこじれる(笑

悠馬は、店長が自分に
好意を持っていることを知っているけれど、
店長は、悠馬の気持ちを知らないわけで、
本当は両想いなのに店長はずっと生殺し状態。
もうそれがかわいそうでかわいそうで・・・
悠馬さんよ、はやく覚悟を決めんかい!!
って、ずいぶんジリジリと
楽しませていただきました(^m^

いや、悠馬の気持ちはわかるし、
性格もとてもいい子なので
全然憎めないんですけどね。
でも、店長のやるせない気持ちを考えると
不憫すぎてもう泣きそうでした。

誤解がとけ、ようやく想いが伝わったあとの
店長の野獣ぶりがすごかったです。

店長さん、見た目も普段のふるまいも
穏やかで優しく、清潔感溢れる感じの
さわやか紳士なイケメンだったためか、
えろの時のとギャップが・・・!

特別濃厚なわけでもなく、
ごく普通のぷれいをしているだけなのですが
初心い悠馬がやたら恥ずかしがるせいもあって
いやなんだか、すんごくえろえろしくて
読んでるこちらもモジモジしちゃうくらいの
せくしー爆発店長でした。
さすが恋愛経験豊富な大人のテク。
はあ、すごかった(笑

地元では否応なく”しっかり者のお兄ちゃん”を
演じざるを得ない環境だった悠馬ですが、
これからは大人な店長にいいこいいこされて
めちゃくちゃ可愛がってもらえるね~♡
よかったよかった。
というハッピーなラストでした。

王子級イケメン受けが
年の離れた大人にかわいがられちゃう
という設定が似ている
月村作品の「Cherry」がお好きな方なら
本作もお好きなんじゃないかと。
受けの性格は、悠馬くんの方が
ず~~っとかわいらしいですけどね(笑
★Cherryの感想はコチラ

そして本作読了後、
同じく超絶美形受が出てくる月村作品の
「きみに言えない秘密がある」も
再読しちゃいました。
そういえば、この受けも
カフェでバイトしてるなぁ。
こちらも面白いので
そのうち感想書けたらな、と思っています。

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BL小説「初恋アミューズメント」感想 [月村奎 (ツキムラ ケイ)]

2021-11-11更新
月村奎さん作のBL小説
「初恋アミューズメント」の感想です。
hatukoiAmusement.jpg
2018年発売
(出版社:大洋図書 SHY NOVELS)
(購入:コミックシーモア)

「初恋大パニック」のスピンオフです。
人気漫画家 鈴木一太郎
 x
売れない小説家 木村正信(PN音ノ瀬来冬)

「初恋大パニック」でいい存在感を出していた
ラブフリーダムな人気漫画家 鈴木と、
小説一本では食べていけないため
サラリーマンとの兼業で小説を書いている正信。
この二人がメインCPですが
初恋大パニックの壮介x旭CPも
ちょいちょい出てきて、とても楽しかったです。
が、たぶん、~大パニックを読んでいなくても
楽しめるのではないかな、と思います。
★初恋大パニックの感想はコチラ

「初恋アミューズメント」では
受けの正信がコンプレックスの塊な子です。
自分の凡庸(と思い込んでいる)な感性を嫌い、
とがった作風なため、いまいち一般受けせず
部数がのびず。
でもプライドだけはやたらと高くて
売れっ子の壮介や鈴木に対してのひがみ、
ねじくれたものの見方が、まあヒドイ(笑

サラリーマンとの二足のわらじの中、
こつこつと創作活動に向き合っている
とてもまじめな性格なだけに、
その周囲への痛々しいまでの思い込みが
かわいそうなくらい。

そんな凝り固まった思考にとらわれている正信が
チャラいといってもいいほどに柔軟な
考え方や行動をする鈴木に”モミモミ”されて
いい具合にほぐれていく様子が
とても面白かった!

鈴木と交流するにつれて
創作への新しいヒントを得、
徐々にいい方向へいくさまも気持ちよく、
読み始めた時は
「な~んこのいじけて可愛くない子・・・」
とちょっと思うところもあったけどw
どんどんとそのいじらし可愛い様子に
ハマってしまいました。

えろはね~なかなか独創的でした(笑)
ネタが思い浮かぶと、どこにでも描いてしまう
鈴木の性癖(?)も生かしてて
面白えろかったです。

初恋大パニックと同じく、こちらにも
イラストを描かれている秋平しろさんによる
2Pマンガが載っています!ひゃっほー!

イラストももちろん良くって♡
特にまーくん(正信)がすごくかわいい~!

あと、壮介x旭の
えろメインのお話も載ってます。わ~い!

初恋大パニック、初恋アミューズメント、
どちらも出版業界のお話なので
編集さんの言動とか、作家さんの様子とか
月村先生の実体験も反映されてるのかなぁ?
なんて想像して、そんなところも面白かったです。

月村先生って、あとがきでよく書かれてるけど
すごく自己評価が低いというか
「こんな私が・・・」みたいな自虐がすごくて
そんな謙虚なところも好ましくて
可愛らしい方だなあ~っていつも思うのですが
BL小説家さんの中では
結構な人気作家さんですよね?!
もっと自信持ってもいいのに・・・(笑

ということで
これからも月村作品、追っていきます。
とりあえず、積んでる本を減らさなくては。

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