BL「ハッピー・オブ・ジ・エンド」感想

2021-07-04更新

おげれつたなかさん作のBLコミック
「ハッピー・オブ・ジ・エンド」の感想です。

2021.6.16発売の新刊
（出版社：竹書房　
　　バンブーコレクション Qpaコレクション）

本棚の中でもひときわ目立つこの表紙。

タイトルと言い、表紙二人の表情と言い
不穏な感じ満載。
読むのは正直不安したが
怖いもの見たさで(笑)頑張って読みました！

読みながら感じたのは
「フジテレビの”あの番組”見てるみたい…」

♪生きて～～る　生きている～～♪
がテーマ曲のあれ、ね。

読んでいて、明るい気分になる内容ではありません。
重いです。

特に表紙絵でアップになっている
ケイト(攻)の人生の壮絶さには
ちょっと絶句でした。

受の千紘も、
ゲイというだけで家族から縁を切られ、
仕事もうまくいかず、
同棲していた恋人には裏切られ、
家なし・カネなし、
ヒモでなんとか食いつないでいるような状態。

本当の愛を知らず
負の連鎖から抜けられない二人が
出会いこそ最悪だったものの
やがてお互いが大事な存在になっていく過程を
じっくり読めました。

読み終わって気づいたのですが、
本作、なんと電子では250Pもあるんです！
(表紙などすべて含めてのページ数)

読みごたえがあるのですが
だらだら長い、という感じは全くなく
内容がパンパンに詰まっていて
非常に濃厚でした・・・素晴らしかった。

精神的にも肉体的にも
痛々しいシーンが多いです。
私が読んでいるおげれつ作品の中でも
痛々しさは一番かも、と思いました。

それだけに、最終話ラスト、
二人が恋人つなぎをしている手元のシーンで
めちゃくちゃ心臓がギュウッッとなりました。

こんなにも尊いと感じた手つなぎシーンは
初めてかもしれんです。。。。(;´༎ຶД༎ຶ`)

本作、まだ完結していません。
最終話の最後に小さく
「to be continued」の文字がありました。
ただ、この１巻で
とりあえずきれいに収まっています。

たしかにケイトが誰から逃げて
住まいを転々と変えているのか、とか
身体に残っているだろう傷跡も
出していませんし(正直見るのコワイ(；；
気になる点は残っているので、
この１巻で、二人で幸せになれるのかも、
というところまでなんとかこぎつけたけれど、
今後も甘々な展開には
なかなかならないのかもしれませんね。

でも、最後は二人幸せになると信じて
静かに続きを待ちたいと思います。

読み返すのがつらいような部分もありますが
たまにはこういう作品を読むのも
いい刺激になりました。

それにしてもさ～～
千紘の家族、ひどすぎじゃない？！
ゲイってだけで、なんであんなにひどい仕打ちを家族から受けなきゃならないの
ほんと信じられない。プンプン！

あと千紘を裏切った元恋人(クズ野郎！)が
見た目は爽やかな好青年って感じなのが
なんかもう救われなさがすごいというか
恐ろしかったわ・・・


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タグ：おげれつたなか

BL「Daisy Jealousy」感想

おげれつたなかさん作のBLコミック
「Daisy Jealousy」の感想です。
(今回は具体的なネタバレはしていません)

2020.11.10発売

おげれつたなかさんの最新刊です。

おげれつたなかさんの新刊を読むのは久しぶりで、とても楽しみにしていました！
「はだける怪物(下)」以来のはずだから
約１年ぶりかな。
「はだける怪物(下)」の購入記事に
感想書きたい、と書いてたけど
案の定、書いてないわ～～～～。

ということで、当ブログ初の
おげれつ作品の感想記事になります。

おげれつ、って入力すると
必ず「お下劣」って変換されるよね。
なんでこのペンネームにしたのかな…と、
正直毎度思ってしまう(笑

あ、そうか、だから
「おげたな」さんて略称を使う方が多いのか。
納得。（え、ちがう？）


子どものころからゲームが大好きで
ゲーム(CG)を作るのが夢の若者二人のお話でございます。

コミュ障だけど
CG制作には才能あふれる天才肌の要(かなめ)
　✕
負けず嫌いな努力家だけど、
才能はほどほどな三咲(みさき)

コミュ障の上、学校の先生にも一目置かれるほどの技術を持つ要は、学校でもちょっと浮いた存在。

そんな要を尊敬しつつも嫉妬する三咲は
なんとか要に追いつき追い越したい一心で
努力を続けるのですが
あまりの実力の差に打ちのめされるばかり。

要が同級生から受けた
理不尽な嫌がらせをきっかけに
急接近する二人ですが
二人のすれ違っていく想いが切ないです。

第１話は専門学校での出会い～卒業まで。
第２話以降、社会人４年目での再会～
のお話で、
CG業界のお話もがっつり絡んできて
専門用語がいろいろ出てくるもので
聞いたことあるけど…な言葉から
全く知らない言葉まで
いい勉強になりました(笑

ということで
おげたな作品では初の”お仕事BL”
と言っても良いくらいの作品では。

あ、本の最後に簡単な”用語解説”がある親切設計です。
まあ、説明読んでもふんわりわかったような
ちっっとも分からなかったような？

その辺はイミフなままでも
BがLする流れにはあまり関係ないので
大丈夫でした！

おげたなさんは
BLマンガを描かれる作家さんのなかでも
トップクラス中のトップに位置する
画力のある作家さんだと思っていますけど
絵だけじゃなくて、
お話の運び方も、実にうまいんだなぁ、と
本作を読んでしみじみ感じました。

ギュウっと胸が痛くなったり
キュンと甘酸っぱい気持ちになったり
それが波状攻撃のように繰り出されてくるのですよ。

こんなの、面白いに決まってるじゃない。

あ、今回は
暴力的な表現は一切ナッシングでしたので
その辺でおげたな作品を敬遠されている方にも
安心して読んでいただけると思います。
逆に、ヒリヒリした感じを求めていると
ちょっと肩透かしを食うかもしれません。

誤解を恐れずに言うならば
ごく普通の二人の、ごく普通の恋愛のお話です。

これの前に「イキガミとドナー」を読んだので
余計に「ああ、普通だな――」という感想を持ってしまいました。
作品世界が普通(＝現実世界)なのであって
作品の出来が普通という意味ではございませんよ！
とても面白かったです！

リアルな、この現実世界のどこかに
存在していそうな二人。

あ、ちょっとだけ
「エスケープジャーニー」の
太一と直人(コミュ障ｘパリピ)を
彷彿とさせる二人でした。
好き。

いま(～11/23まで)Daisy Jealousy配信記念で
「エスケープジャーニー」の１巻が
立ち読み増量＆１～２巻値引き中です。
大大大好きな作品♪
ご興味ある方は、こちらもこの機会にぜひ～。

そういえば「Daisy Jealousy」のおかげで
Jealousy のつづりを覚えたよね(笑
タイトルに Jealousy がつくのはわかるんだけど
Daisy はどういう意味でつけたのかな？
花言葉とか調べてみたけど
あんまりぴんと来なかったなぁ。
う～～～～む・・・


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