SSブログ

BL小説「不器用なテレパシー」感想 [月村奎 (ツキムラ ケイ)]

2022-01-24更新
月村奎さん作のBL小説
「不器用なテレパシー」の感想です。
bukiyouna.jpg
2012年発売(電子書籍2017年)
(出版社:新書館 ディアプラス文庫)
(購入:コミックシーモア)

華やかな表紙絵ですが
内容はかなり切なくて、
でももちろん幸せな結末のお話でした。

人気俳優 戸賀崎 颯(21)
 ✕
カフェ店員 飯島 諒矢(21)

幼少のころからの幼なじみで
高校卒業を機に二人で上京し
同居するほど親密だったふたり。

駆け出しで芸能界の仕事を始めた颯を
なにくれとなく世話を焼き、
バイトをいくつも掛け持ちして
経済的にも支えていた諒矢。

プラトニックな関係ではあったものの
お互いが特別な存在であり、
まるでテレパシーのように
ふたりの気持ちは通じ合っていて、
颯とは恋人関係だと諒矢は思っていたのに

ある日突然、颯から
「おまえは実家(故郷)に帰れ」
「尽くされるのがウザい」と
強く拒絶する言葉をぶつけられてしまい。

ショックのあまり、
衝動的に自死しようとしたところを
偶然通りかかり、引き留めてくれたのが
カフェの店長の大森。

彼の店で住み込みで働くようになって2年。
いまやすっかり人気俳優になった颯が
諒矢のもとを訪ねてくるも

やっとの思いでふさいだ傷から
また出血することを恐れるあまり、
諒矢は大森と付き合っているとうそぶき
颯に冷たい態度をとる…

といった出だし。

物語はほとんどが諒矢視点で語られています。

恋人だと思い、生きる理由のすべてだった颯に
思いがけず拒絶された諒矢の
あまりに辛い思いに胸が痛くなり。

2年経っても颯が大好きなままの諒矢の様子に
切ない気持ちが湧きまくりました。

颯の拒絶は、おそらく
本意ではなかったのだろうと思われましたし、
2年ぶりに諒矢に会いに来た時の様子からも
何とか、関係の修復を試みているのだと
推測はされるのですが、
心の傷が深すぎた諒矢が
「勘違いしたらいけない」と
必死に距離を置こうとする様子が
かわいそうで切なくて・・・(ノД`)・゜・。

ほとんどがシリアスな雰囲気で、
月村作品の中でも
かなり切ない度合いが高いのではないかと思います。

それだけに、誤解がとけ
二人の想いがちゃんと通じ合ったときの
喜びが大きかったです♡

最後に颯視点の短いお話があるのですが
諒矢に対する深い深い思いを知ることができ
たいへん素晴らしかったです。
天涯孤独の颯が、自ら諒矢の手を放し
どれだけつらい思いをしてきたのか。
彼の想いの深さを知ってからの再読が
たまりませんでした(´;ω;`)

そんな中、諒矢を救ってくれた大森さんと
その家族のなんと温かいこと。
イイ人過ぎて、
そこだけだいぶファンタジーだったかも(笑

挿絵がたいへん素晴らしかったです。
高星麻子さん、恥ずかしながら
私は存じ上げない作家さんでしたが
キラキラの颯が素晴らしくイケメンで
そりゃ芸能界が放っておかないわ!って納得のレベル。
颯の隣だと目立たないけど
諒矢もかなりのカワイイ系イケメンなので
とっても眼福でした^^

ランキングに参加しています。
↓ぽちっとしていただけると嬉しいです^^
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL漫画感想へ

不器用なテレパシー【電子書籍】[ 月村奎 ]


タグ:月村奎
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。