BL「蟷螂の檻 全５巻」感想

2022-04-14更新

彩景でりこさん作のBLコミック
「蟷螂の檻 全５巻」の感想です。

第１、２巻 2016.11月発売
第３巻　2017.10月発売
第４巻　2019.6月発売
第５巻 2022.3.25発売(完結)

完結まで５年半。
on BLUEでの連載は
2014年から始まったようなので
そこから数えたら、８年ですか！

４巻が出てからしばらくたっていたので
復習も兼ねて、全巻一気読み。

戦後の混乱が落ち着いてきたころの昭和、
地方の名家「當間家」を舞台にした
ドロドロの主従愛憎劇、
ラストまで見届けさせていただきました。

全５巻、紙で揃えましたが
表紙絵や装丁も、物語の雰囲気にぴったりで
毎度ほぅ～～～～っ♡となってました。
３巻のあまりにくそえっちな表紙絵に
当時すごい衝撃を受けたのもいい思い出w
この先どんなえっちい絵がくるのか…
と思っていたら
４～５巻は案外おとなしめでホッとしました。
いや、話の内容はどんどんすごくなっていってましたけども。

甘々ハピエン好きの私なので、
普通は手を出さないタイプの作品ですが
でりこ先生だと読みたくなっちゃう不思議。

５巻の帯に
「魂をゆさぶる闇BLの傑作、ここに完結」
ってある通り、傑作でした…すごかった。


せっかく５巻そろったのでつい撮りたくなり。
４～５巻のこの分厚さ。
読み応えもすごかったです。

親からのまともな愛情を受けられず
當間家の跡目として
厳しく育てられた當間育郎と
孤独な育郎を幼少から世話をし
ひたすら執着する使用人の深山典彦

典彦のサイコパスぶりがもうすごすぎて
すごかったです。
(ここまで何回すごい言ってんの…
　　って、もともとない語彙力が
　　　さらに消えるすごさなのよw)

育郎のすべてを欲するその底なしの欲深さ。
傷つき壊れるところが見たい、
憎しみの感情すら自分に向けて欲しいと思う、
私などには到底理解できない感情で
まさに執着サイコパス攻めの名に恥じぬキャラでした。

そんな典彦の
ゆがんだ愛情を注がれて育った育郎が
憎しみの感情を抱いたことがありつつも
結局は・・・・・・なラストは、
理解できない(私ならその選択はしない)けど
育郎の行動としては納得できるし、
二人にとってはあれが
ハッピーエンドなのでしょう。
典彦と再会した時の育郎の表情なんて
たまらんかったですよ。

そして、ラストの育郎は
物語冒頭の蘭蔵(育郎の腹違いの兄)の顏を
彷彿とさせて、まさに鳥肌ものでした。

最後の最後に再び
「蟷螂の檻」の意味を考えさせる
秀逸な終わり方だったと思います。

終始、陰鬱さがつきまとう物語でしたが、
蘭蔵の純真無垢さと
育郎の妻 さち子の強くてまっとうな様子が
救いでした。
蘭蔵、さち子、ありがとう！！

そして、育郎と蘭蔵に手を差し伸べてくれた
飯田くんも、ありがとう！！
この物語の中で一番かわいそうだったのは
結局、飯田くんだったけど・・・(´;ω;｀)

蟷螂の檻の特典恒例の
「蟷螂の檻の中の人」は
「蟷螂の檻」がドラマだった、という設定で
俳優さんたちの舞台裏を暴露する
明るいコメディになっていて、
これもまた本編の重苦しい雰囲気から
絶妙にw読者を救ってくれる
とてもいい特典でした。
でりこ先生のこういうノリ、大好き！

「中の人」含め、蟷螂の檻の同人誌などが
電子書籍化されているのですが、
ポイント不足のため
まだいくつか買えておりません(◞‸◟)
すぐにでも読みたいけど
ポイント復活まで、もうちょっとの我慢よ私！
そっちも読めたら感想書きたいな～。

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タグ：彩景でりこ

コメント 2

まゆりさん、こんにちは。
この作品、以前から目に付くたびにカートに入れては悩み、やっぱり買わず・・・を繰り返しています。
なんか暗そうで･･･（笑）それでも読んでみたいと思っている理由がリサーチのために何度もあちこちのレビュー読むうちに「～の中の人」が面白そうだったからなんですが･･･。
本編はやっぱり陰湿なんだ･･･と思いつつ、まゆりさんの感想読ませてもらったらやっぱり興味が･･･大丈夫かなぁ･･･コンディション整えて（笑）いつか必ず読んでみたいです。

by ritsuko (2022-04-15 17:12) 

>ritsukoさん、こんばんは。
ritsukoさんがこの作品気になっていたとは
ちょっと想像してませんでした(笑
私でも楽しめたくらいなので
闇系とはいえ、ライトな方なのかなー。
読後にどよーんとなることもなかったですし。
ただ暴力的な部分もちょいちょいあるし
なかなか再読するのは
気が重いタイプのお話ではありますね。
ただ、面白いです。
そして、中の人も面白いです！
本編とのギャップを楽しむ部分が
大きいと思うので
中の人だけ読んでも、面白さは半減かもですね。
いつか、本編挑戦してみて下さい！
by まゆり (2022-04-15 21:36)