BL小説「もうひとつのドア」感想 [月村奎 (ツキムラ ケイ)]
2023-09-03更新
月村奎さん作のBL小説「もうひとつのドア」の感想です。
2001.12月発売(電子配信2017.11月)
(新書館 ディアプラス文庫)
(購入:コミックシーモア)
9/4まで半額セールになっているこちら、
試読から購入し、そのまま続けて読んで…
という流れで、珍しく
買ってすぐにサクッと読了いたしました。
せっかくなので、忘れないうちに感想を。
月村奎さんの十八番
親の愛を受けられずに育った受けが
幸せになるお話です。
有名建築家 三夜沢(みよさわ)30代半ば?
✕
理不尽な借金の返済に追われる
広海(ひろみ)17歳
ひとり親の母親から愛されずに育ち
その母が自殺で亡くなった今は
母を金づるにしていた義父のような存在の男に
金をせびられ続け
中卒でひたすらバイトで小金を稼ぐ広海。
自分の将来のことなど思い描く余裕もなく
たた無為に過ごしていたある日、
バイト先のパン屋によく買い物に来る女児が
その父親(三夜沢)から
ずいぶん乱暴に扱われている様子を目にして
自分が虐待を受けていた頃を思い出し
黙っていられなくなって…
というところから始まるお話です。
広海の子どもの頃の描写が
あまりに悲しく切なくて辛いんですけど
月村作品を読むときのいつもの私的心得
「この不憫な子が最後には幸せになるんだ」
と言い聞かせつつ頑張って読みました(笑
母親からの愛すら受けられなかった広海は
なるべく傷つかないための処世術として
だれも信用しない、他人に期待しない
という若干17歳にして
なんとも悲しい思考の持ち主なので
人からの善意を素直に受けられず
だいぶジメジメうだうだしとります(笑
攻めがまた無愛想・武骨・言葉が足りない
典型的な思考の分かりづらい男なので
まあ~そう簡単にはくっつかない。
すれ違ってのせつなキュンを
たっぷり味わわせていただきました♡
三夜沢の一人娘 美生(みう)ちゃんが
かわいくて救いです。
広海が初めての恋心を自覚するシーンが
切なく悲しくてよかったですねぇ。
一方の三夜沢は、攻め視点がなかったため
いつ広海のことを好きになったのかは
よくわかりませんでしたが
思いが通じ合ってからの~~
野獣感がよろしかったでございます。
とはいえ、そこの描写はごく控えめで
あっさり風味でしたが…(いい、いいんだ別に
ようやく思いが通じ、
生きることに前向きになった広海ですが
しかし、ここのCP、
今はいいけど、この先苦労しそうだなぁ…
なんてちょっと思ってしまいましたね。
三夜沢の実の姉が・・・・・・・・・・・
なんというか悪い人じゃないんだけど
無意識のうちに堂々と
差別と思わず差別発言(思考)をする人なので
美生ちゃんがもう少し大きくなった数年後とか
ひと悶着、どころか色々ありそうだなぁ。
まあとりあえず、
広海には素敵な居場所もできて
めでたしなラストだったので
あとの事は想像しないようにしよう・・・(笑
この作品のお気に入りポイントはタイトル。
読む前はなんとも印象に残らない
平凡なタイトルだわ、と思ったんですけど
読んでる途中で、そういうことかーって。
余裕がないとそういう状態に陥りがちだよね。
希望の光射すもうひとつのドア・・・
不憫受けがお好きな方なら
ぜひ読んでみていただきたいです。
あ、さし絵がとても好みでした!
広海さん、自分の見た目をもっと生かせる
職業もいいと思うんだけどなー。
とりあえず読モとかからどうでしょう?
なんて~(^m^
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2023-09-03 13:37
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